帰れない二人
2019年製作/135分/中国
配給:ビターズ・エンド
監督:ジャ・ジャンクー
森直人(映画評論家)×   徐 昊辰(中国人映画ジャーナリスト)
中国の最新事情を説く
ジャ・ジャンクー
1970年5月24日生まれ、中国山西省・汾陽(フェンヤン)出身。18歳の時に山西省の省都・太原(タイユェン)の芸術大学に入り、油絵を専攻しながら、小説を執筆し始める。この頃、『黄色い大地』(84/チェン・カイコー監督)を観て映画に興味を持ち、93年に北京電影学院文学系(文学部)に入学。在学中の95年にインディペンデント映画製作グループを組織し、55分のビデオ作品「小山の帰郷」を監督、香港インディペンデント短編映画賞金賞を受賞。この時、グランプリを受賞したのがユー・リクウァイの「ネオンの女神たち」。この出会いを通じて、『一瞬の夢』以降、ほぼすべての作品の撮影をユー・リクウァイが手掛けることとなる。97年に北京電影学院の卒業制作として、初長編映画『一瞬の夢』を監督、98年ベルリン国際映画祭フォーラム部門でワールドプレミア上映され、ヴォルフガング・シュタウテ賞(最優秀新人監督賞)を受賞したほか、プサン国際映画祭、バンクーバー国際映画祭、ナント三大陸映画祭でグランプリを獲得、国際的に大きな注目を集めた。06年、三峡ダム建設により水没する古都・奉節(フォンジェ)を舞台にした『長江哀歌』がヴェネチア国際映画祭コンペティション部門でサプライズ上映され、金獅子賞(グランプリ)を獲得。15年、フランス監督協会が主催する「黄金の馬車賞」を受賞。18年10月、福岡アジア文化賞大賞を受賞。本作『帰れない二人』は5度目のカンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品。中国人監督でカンヌのコンペに5作品出品されているのはチェン・カイコー監督とジャ・ジャンクーのみ。いま最も、パルムドールに近い映画監督といっても過言ではない。
あらすじ
激動の21世紀中国。
北京五輪開催、三峡ダム完成、経済の急成長……
変わりゆく17年の月日の中で、
変わらぬ想いを抱えた女と男がすれ違う。
STAFF
監督・脚本:ジャ・ジャンクー
出演者
チャオ・タオ リャオ・ファン
シュー・ジェン ディアオ・イーナン