SHADOW/影武者
中国
配給:ショウゲート
監督:チャン・イーモウ
森直人(映画評論家)×   徐 昊辰(中国人映画ジャーナリスト)
中国の最新事情を説く
チャン・イーモウ
1951年、中国、西安生まれ。カメラマンとしてキャリアをスタートし、『紅いコーリャン』(87)でベルリン国際映画祭金熊賞に輝いたことで、国際舞台に突如姿を現した。それから30年以上の間、並外れた作品群は、芸術としての功績と商業的な成功という両面で、世界中で高く評価され続けている。
作品のジャンルとテーマは『紅いコーリャン』、ベルリン国際映画祭審査員特別賞に輝いた『初恋のきた道』(99)、ベネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞した『紅夢』(91)などの中国の田舎を舞台とした奥深くパーソナルな物語や、ベルリン国際映画祭アルフレード・バウアー賞を獲得した『HERO』(02)や全米批評家協会賞監督賞を受賞した『LOVERS』(04)などの武術ドラマ、カンヌ国際映画祭審査員グランプリを受賞した『活きる』(94)や『妻への家路』(14)などの20世紀の中国での社会的トラウマを感動的に綴る作品、マット・デイモンを起用した超大作映画『グレートウォール』(16)など多岐にわたっている。
チャン・ツィイー、コン・リーなどの女優の才能を見出し、賞に導いたことでも知られている。
1998年には、プッチーニのオペラ「トゥーランドット」を物語の舞台である北京、しかも紫禁城で初上演するという一大イベントで演出を務める。
2008年の北京オリンピックでは開会式を指揮し、世界的な名声を手に入れた。
あらすじ
弱小の沛〈ペイ〉国は、領土の境州を奪った強大な炎国と休戦同盟を結んだが、
それから20年、国民はいつまた攻めてこられるかと脅える日々を送っていた。沛国は若き王(チェン・カイ)を筆頭とする平和派と、
重臣の都督〈トトク〉(ダン・チャオ)に従う開戦派に分かれていた。
ある時、都督は王の許しを得ず、炎国の楊蒼〈ヤン・ツァン〉将軍に境州での対決を申し込む。王は激怒するが、高貴で知略に富み、
国民からも尊敬される都督を前にすると、責める言葉もなくなっていく。先王が早死にし、妹と二人の自分が王位に就けたのも都督のお陰だった。
王は矛先を変えて、琴の名手と称えられる都督と妻の小艾〈シャオアイ〉(スン・リー)に合奏を命じるが、
小艾は「境州が戻るまで琴は弾かないと天に誓った」と頑なに拒むのだった。
STAFF
監督・脚本:チャン・イーモウ
出演者
ダン・チャオ
スン・リー
チェン・カイ
ワン・チェンユエン